第41話
山崎が出ていったのを見届けてから、蝶は大きく息を吐いた。
「…はぁ」
「あれ、もう起きてたんですね。寝顔覗こうと思ったんですが。もう一度眠ってくれません?」
ひょっこり現れたのは沖田だ。
「久しぶり。沖田、寝てなくていいのかい。」
池田屋から帰ってきてからは山崎以外の誰とも会っていない蝶は、久しぶりの沖田に思わず目を細めた。
先日のあの姿を見ているためか、部屋に入ってくる沖田が無性に心配になる。
「大丈夫ですよ、ただの熱中症でしたから。せっかく会いに来たのにそんな事言わなくたっていいのに。ねえ、平助。」
沖田が、自分の背後に声をかけた。
よく見れば、そこには一つの人影がある。
"平助"
何処かで聞いた気がするな…。
しかし、それが何処かを思い出せず蝶は首を傾げた。
「平助…?」
「あ、あの」
人影が、おずおずと出てきた。
「あっ、あの時の」
出てきたのは、額に包帯を巻いた小柄な男だった。
池田屋で、蝶が手当した男だ。
「はじめまして…でもないけど。僕、藤堂平助っす。この前はありがとうございましたっす!」
にこにこと笑うその仕草は、体の小ささも手伝って子犬のように見える。
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