第40話

かちゃかちゃと、食器のぶつかり合う平和な音が部屋に響いた。



「あ、それからな」



「ん?」



手を止めることなく、山崎は先の言葉を紡ぐ。



「あとで副長と局長が来るそうや。色々話さなあかんこと、あるやろ。」



「ああ…そうだな。」



あの一件があってから、蝶はその二人とは会っていない。



一度来たらしいが、まだ彼女が眠っていたのでまた出直す事にしたそうだ。



「それまで休んどき。」



「ああ。」



山崎が部屋を出た後、蝶はもう一度あの日の事を振り返ってみた。



監視される中を抜け出して、池田屋に飛び込んで、男と交戦して…。



「はぁ…」



やはり、不味かったかもしれない。



今更ながら、蝶は後悔でいっぱいだった。



新撰組の敵を斬ったのだから、長州である疑いは晴れたと思っていいはずだ。



ただ、普通の侍が使わない武器を持っていることが知れてしまった。



厄介なことにならなければ良いのだが。

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