第32話
ガラン…
男の刀が落ちる。
「…ぁ…っ!てめぇ…!」
男は、蝶が投げた苦無が刺さった手を抑えて、がくりと膝をついた。
間に合った…。
そこで初めて、蝶は自分が自然と息が上がっていることに驚いた。
男が刀を振り下ろすのと、蝶が懐の苦無を投げるのは、ほぼ同時だった。
いちかばちか。
反射的に投げた苦無は、見事に男に命中したのだ。
「…蝶さん!?」
こちらも息の荒い沖田は、驚きを隠すこと無く名前を呼ぶ。
「どうして、貴方が…!」
「言ってる場合か、傷は?」
沖田に近づきながら、蝶はその体をよく見てみる。
「…い、いえ、特には…」
戸惑ったように答えながら、壁にもたれかかる沖田。
顔も赤くなっていることが、月明かりで分かった。
「下はほぼ大丈夫だろう。此処が…」
「蝶さん!」
ザッ
今度は、沖田の声と蝶の足元に刀が振り下ろされるのがほぼ同時だった。
「っ、へえ、まだ握れたんだ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます