第11話

***


「…で?此処に入るのか。」



「はい。そんなに狭くは無いですから、安心してください。」



「はぁ…」



女の目の前に広がるのは埃っぽい和室だった。



少し小さめだが、一人が使うには充分過ぎる大きさだ。



ここが、暫く監視される彼女の部屋らしい。



「それじゃ、えーと…」



女をここまで連れてきた沖田は、語尾を有耶無耶にする。



その様子を見ていた女は、ああ、と答える。



「小芝蝶だ。」



「では、蝶さん。忠告しておきますが、早く自白した方がいいですよ?あなたのお肌のために。」



沖田はかがみ込んで蝶の顔を覗き込む。



「自白することなんて無い。まあ、納得がいくまですればいいよ。私は白だから。」



「分かりました。健闘を祈ります。」



「心にも思ってないくせに。」



こんな状況でも悠然と答える彼女に不思議な好感を抱きながら、沖田は笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る