噛めば噛むほど味が出る、重厚なボーイ・ミーツ・ガール

基本的なあらすじなどは、既に他の方々のレビューにて紹介されているので、今更自分が語るまでもないと思い省略。一個人の感想ではあるが、本作の魅力について可能な限り語ってみたい。

薄っぺらいテンプレ系とは異なり、本作はトールキンの指輪物語のように世界観がよく練られているタイプのファンタジーだ。物語の基盤となる世界観がしっかりと考えられているので、安直にテンプレをそのまま書いて数行で矛盾したり、といった事案がなく安定している。

アトマ、術法といった独自の用語もあるが、過不足なく説明されているので世界観を破壊することなく見事な調和が保たれている。

展開としても主人公が少しずつ成長してゆく王道タイプで、最初からとんでもなく強いわけではない。それ故に、感情移入もしやすいのではないかと感じる。

ファンタジーとは斯くあるべし、といったお手本のような本作。是非ともご一読頂き、本作の内包する深い世界観を直に感じて頂きたい。

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