天使と呼ばれる謎の生命体の出現によって人類が追い詰められた世界。
全人類が一致団結しているかというと、進んで天使の軍門に降る国もあり、基本的な文明レベルは1950年前後にまで後退しています。
そんな中で特殊な装置を背に空を飛び祖国を守ろうとする少女たち、それが魔女です。
主人公のミサキは他の魔女とは違う特別な装置を背負う以外はごく平均的な能力です。
物語の序盤ではあまり強くありません。
戦いの中で心身ともに成長してきます。
それでも毎回薄氷を踏むような勝利。
戦いと戦いの間には女の子らしい日常風景が紡がれます。
果たしてミサキたちに平和な未来は訪れるのでしょうか?
その目でお確かめください。
人間が天使に蹂躙されている世界。
他の国が天使に支配される中、マヤ皇国はいまだ抵抗を続けていた。
そこで、魔女と呼ばれる少女たちは、悪魔の遺体を利用して作られた特殊飛行ユニットを使い、空を飛んで戦う……。
ざっくり言うと、そんな作品です。
どのキャラも個性的で悲しいバックボーンもあって、魅力的です。
そんなキャラたちが戦争に参加し、敵と激しく戦うことになります。
彼女たちには素敵な友人がいて、明るい会話があって、楽しい日常があるので、戦かっているときとの差が大きくて悲しいのですが、だからこそキャラたちに愛着が湧き、強く感情移入してしまいました。
戦闘描写は丁寧でありながらも迫力があり、手に汗を握らせてきます。
現実のアニメや政治を思わせるネタもあり、くすりと笑ってしまう、そんなシーンも豊富です。
苦難があって、熱い展開があって、笑えるシーンもあって、かわいい女の子もいて……と様々な面で楽しませてくれる作品。
幼女戦記やストライクウィッチ-ズが好きな人はハマるんじゃないかと思います。是非ご一読を。
この世界では、天使は人類の敵だった。
主人公のミサキ・カナタ准尉はまだ16歳の少女。彼女は飛行ユニット【ウェリエル】と共に空を駆け、敵である天使たちを撃墜する任務を負っていた。
襲来する美しい天使たちに対抗するのはいずれも若い女性で、ミサキと女性たちは魔女と言われている。その理由は飛行生物・悪魔と共に戦い、悪魔の力を借りて空を飛ぶからだ。
感想:5話まで読みましたが、空での戦闘シーンの迫力、神話の中の天使が敵、悪魔が味方という逆転設定、そして、追い込まれる人間たちの悲劇や、悪魔と人間との繋がりのドラマが、一つの堅固な世界感を作り上げていて圧倒されます。
すごい作品です。おすすめです🛬
遥かなる天空より飛来する天使──彼等に蹂躙され、大きくその数を減らした人類。
追い詰められた人類の一部は、天使と長らく敵対してきた悪魔と手を組み、反攻作戦を開始する。対する天使も、自らに服従した国家を従え、将来の禍根を断たんとしていた。
聖と魔の代理戦争──そこに駆り出されたのはまだあどけなさの残る少女たち。
迫り来る死と恐怖……それでも少女たちは終末の空を舞い、天使と敵国に牙を剥く。祖国に安寧を取り戻すため。天使に怯えることのない、穏やかな日常を再び手に入れんがため。数多の戦場と穹を翔ける。
史実の戦史に裏打ちされた設定・展開は重厚かつリアリティがあり、そこに等身大の少女たちの姿がありありと目に浮かぶような精緻な文章が彩りを添える。
少女たちは、祖国の希望となるか。そして人類は天使に打ち勝つことが出来るのか──
非常に完成度の高い戦記物語。
天使からの無慈悲な蹂躙に抗うため、少女たちは悪魔と手を組み、魔女となって戦場に飛び立つ。
描かれるのは容赦なく襲撃を繰り返す天使との戦争。重厚で迫力と疾走感のある戦闘描写と血生臭い犠牲が生々しく想起されます。
年若いうちから重い使命を背負わされた少女たち、政治家の思惑、彼女たちに守られ生きている民衆たちの心理……それらが淡々と落ち着いた文章の中に濃密に描かれています。少女たちの、悲壮感だけでない、年相応の明るさや人間らしい仲間意識に救われながらも、胸が締め付けられます。いつか彼女たちが平和に空を見上げられる日が訪れれば良いのですが……。
決して綺麗事だけでは終わらない壮絶な戦い。ひとたび目に触れてしまえば呑み込まれることでしょう。
素晴らしく、かつ没入感の高い名作です。
このサイトに来てから色んな作品を読ませて頂きましたが、こんなに痺れる設定は他には無かったかもしれません。
人の味方として描かれ続けた「天使」が人を蹂躙する存在として登場し、その対抗手段として「悪魔」と手を組む。
この時点の発想でもお見事なのですが、これに「空戦」を組み合わせる大胆さ。
その空戦とそれを展開する舞台と部隊の設定の緻密さにも唸らされます。
大胆な発想を発想だけで終わらせずに、緻密に叩き上げた珠玉の舞台設定です。
設定だけでなく、登場人物たちの心情にもたっぷりとリアリティが練り込まれていて、戦いに臨む主人公たちの心情がきめ細やかにドラマ性豊かに描かれています。
強くお勧めします。どうぞ御覧ください。
天使、と聞けば皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
優しい存在、人間の味方、誠実な相手。
きっと良いイメージと僅かばかりの畏怖があるはず。この世界の天使は…その畏怖こそが向けるべき正しい感情です。
人間と見れば女性も子供も軍人も民間人も関係なくその手に掛けていく、最早話し合いの余地すら残さない不気味で理不尽な権化。
では、もう人間に救いの手は降りないのか。確かに救いの手はおらなかったかもしれません、けれど……共に空を駆け天使を地に伏せるための翼をくれる相手が居ました!
それが悪魔です。
主人公のミサキさんは過去にとある一件で悪魔に命を救われ、その悪魔から妹をお願いと託されます。
悪魔の名前はウェリエル、そして妹さんの名前はソロネ。
悪魔を背に共に空を飛ぶ魔女。彼女たちの翼が導く先は平和な未来か、絶望の終末か。
天使と悪魔、そして人間。この世界に存在する彼女たちの戦い、ぜひご覧あれ!
太平洋戦争における空挺部隊さながらに、緻密かつ圧倒的スケールで表現され、一瞬の隙すらも許さぬヒリつきを感じさせる緊張感がバチバチと纏わりつく戦闘描写は、まさに圧巻の一言。
また、武装や工具などはサイズ感をはっきりと描いており、艦艇の種別もしっかり明記、そして適度に織り込まれる名称に適した横文字ルビが振られるなど、作者様にミリタリー系の見識がかなり深い事が随所から滲み出ており、そういった細やかさがより作品の解像度や彩度を高め、ぼやけず鋭い作品に仕上がっています。
その一方で、守るべき暖かな日常の世界にもリアリティがあり、戦いに身を置く主人公らにより深く感情移入ができる、没入感の高い体験ができるのも特筆すべき点です。
絶望的な状況下の中で行われる苛烈なる戦いの物語、とくとご覧あれ。
天使の襲撃で、人は平和から絶望を知る。
そんな世界で、人は思い出す。過去の戦いと、戦いと、戦いを……
そんな世界で、人が手を組むのは悪であり、戦うために育成された魔女達だ。
重いテーマではありますが、救いは若い魔女達の、生き様です。
戦闘の合間に見せる顔は美しく、仲間に見せる顔は優しい。
だけど……
戦いは待ってくれないんだ。それが戦争。
やらなければ、やられるからね。
この世界観を、今だから読んで欲しい。
ヒロイン、ミサキの戦争に対する嘆きを、見逃さないで欲しい。
巨大な翼をひるがえし、少女達が空を舞う姿は圧巻です。
読む価値ありの秀逸な作品、おすすめです。
「天使」と呼ばれる謎の生命体の襲来により、壊滅の危機に陥った世界。絶望的な状況で足掻き続ける一部の人類は、天使と対立する「悪魔」と契約し、絶大な空戦能力を得た「魔女」を戦線に投入する。主人公の少女ミサキはとある事情で強大な悪魔の力を借り受けた魔女。彼女は妹分の悪魔ソロネや仲間の魔女と共に、大切な人たちとの日常を守るため今日も戦い続ける。
「魔女と戦争モノ」と言ったらいいのでしょうか。特別な力を持った少女たち(大人の女性も含む)が近代戦争の主体となり、輝かしい戦功を挙げながら戦場のリアルに立ち向かっていくあの系統のお話です。アニメやゲームでも人気シリーズが生まれており、一定の支持を受けているジャンルと言えるでしょう。
さてこのジャンル、独特の漂白作用を持っています。私も似た主題の小説を書いているので分かります。戦争の生臭さを高尚なものとして掲示しながら、それを美少女のキャッキャウフフで中和できるんです。おいしいとこ取りができます。商業での人気シリーズほど、消費者に向けてその作用を効果的に用いています。
ではこの作品はどうでしょうか。
主人公であるミサキちゃんは、健気でひたむきで優しくて真面目で妹にダダ甘で…でも時には厳しい女の子です。戦闘面では特別な装備を任されていますが、戦いに向いた気性も特段の才能も持ち合わせていない努力の人です。思想は妹や身近な仲間たちへの親愛が大きく占めており、愛国心とか敵へのヘイトとかが人一倍強いわけではありません。光属性でも闇属性でもありません。
なんというか、彼女は普通にいい子です。特徴がないのとは違います。生まれと育ちと使命と理想が、主人公を丁寧に丁寧に形作っているんです。彼女を通してみるこの物語は、高空を駆けバケモノや戦闘機と戦う美少女の英雄譚であるにもかかわらず、極めて等身大の価値観で描かれています。それは、戦争を少女性で漂白するなんともアレな作用に真っ向から向き合うフラットな視点です。
ことファンタジー戦記では、戦争文学的な重みや燦然と輝くヒロイン像を楽しむのもいいでしょう。でも、その時代に生まれた人が、そこにある苦難にあるだけの力で立ち向かうお話もいいですよ。そこには素朴ながら、そっと胸に染み入るような人間賛歌があります。ミサキちゃんと同じ視点で、ただまっすぐに彼女の戦いを見届けたくなる。『皇国魔女航空戦隊』はそのような”静かに刺さる”お話です。
長くなりましたが、めっちゃ面白いよ! 気楽に読もう!
世界は一度滅んだーー
空の彼方から突如襲来した美しくも畏ろしい「天使」と呼ばれる有翼生物によって。
それに抗するのは有翼生物「悪魔」。
そして彼女らと手を組んだ幼い少女たちーー「魔女」だった。
という、なんともエモーショナルな冒頭がグッとくるこちらの作品ですが、これは序の口!
本作を読み進めますと、
手に汗握るカッコいい空戦バトルが!
健気で可愛らしい少女たちの癒される日常に!
過酷な極限状態で生まれる人間ドラマが!
そしてなにより!
かんわいーいソロネちゃんの仕草の数々に!
読者を作品の世界に引き込んで離さないのです!
ファンタジー好きな方も。
骨太な戦記物が好きな方も。
かわいい女の子たちが大好きな方も!
必ず楽しめる、最高にカッコよくて、最高に切ないこちらの物語に。
是非、一緒に飛び込んで壮大な世界に浸ってみませんか!