第2話

折原岳。

彼は遊び人で有名だ。


来る者拒まず、去るもの追わず。

何人もの女性と付き合っては直ぐに新しい女の子と。


彼に泣かされてきた女の子を何人も知っている。

私の友人もその内の1人だ。



笑顔を振りまき、その気にさせて女の子が本気になってしまうと彼は別れを告げる。

まるでゲームをしているような彼の行動に私は嫌悪感しかない。


酷い男だわ。

きっと彼は誰も愛していないんだろう。だから簡単に捨てられるんだ。


人を愛することが出来ない男とも認識していたので憐れみさえ感じていた。


一生関わりたくない人間。

なのに。なんで私はこの男に付き纏われているのだろうか。


「ちょっと近いわよ」


「翼ちゃんの手ってちっちゃいよね。可愛い」


「バカにしてるの? 貴方は何人もの女の子と手を繋いできたんだから私くらいの大きさの子もいること知ってるでしょ」


至って平均的な筈。

むしろ私の長い手を見て羨ましがる子もいるのに、バカにしているとしか思えない。


ムッとして睨むけど微笑まれる。腑に落ちない。なんなのよ、その顔は。



「嬉しいなぁ嫉妬してくれてんだ?」


「は?」


「もう翼ちゃん以外の女の子と手を繋ぐこともキスすることもセックスすることも一切無いから安心してよ。俺、翼ちゃん一筋だから」


「…………」


おえ。

吐き気が込み上げそうになる。


誰が嫉妬してるですって?


気持ち悪い発言をするこの男をどうにか突き放したいけれど、今日も何も出来ないのが悔しくて堪らない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る