†血に染まった純粋さ†
第46話
これは、遠く遠い昔の事・・・
とある国に幼いが、とても美しく・・・
可愛らしい姫が居た・・・
そう。とても美しく可愛く・・・
何人もの王子が、姫に手を述べる・・・
しかし、姫は自分の美しさも・・・
可愛らしさすらをも、気づいていなく・・・
全ての王子達の手を握らなかった・・・
そう。姫は鏡を見た事がなく・・・
自分の姿を知らなかった・・・
そして困った召使いは鏡を手渡す・・・
姫は恐れながらも自分を見た・・・
そして、自分の美しさや・・・
可愛さを知った・・・
そう。自分は美しく可愛いのだと・・・
そして、また城に王子が姫を求め来る・・・
そう聞き、姫は新しい召使いを呼ぶ・・・
召使いは、不気味に顔や身体を隠す・・・
そんな、服装だった・・・
そして、王子が姫の前に現れる・・・
姫の顔が、少し微笑む・・・
その時だった。強い風が吹く・・・
召使いの不気味な顔すらも隠す・・・
帽子が風に飛ばされて消えた・・・
すると、なんとその召使いは・・・
大きな瞳に長いまつ毛に膨らんだ唇・・・
その姿は人形のような姿・・・
王子は言う。『美しい。』と・・・
そして、姫よりも召使いを選び・・・
城へ帰ってしまった・・・
姫には、何が何なのか分からないが・・・
涙が溢れ、絶望感だけを抱いた・・・
それからというもの・・・
美しさや可愛さの為・・・
姫は、夜になれば森へ出る・・・
そして、何匹もコブラを捕まえる・・・
そして、コブラの生き血を吸い・・・
身体に串を通し、焼いて食べ・・・
あの絶望した敗北感から逃れる為に・・・
毎晩、毎晩、夜になれば森へと・・・
コブラを捕まえては・・・
生き血を吸い。焼いては食べた・・・
その生活を繰り返すと・・・
肌は艶やかになり、美しさや可愛さが増した・・・
そして、姫はあの王子と・・・
召使いの元へと、独り向かう・・・
そして、たどり着ける寸前に・・・
もう暗闇で何も見えない・・・
姫の足元に、何か違和感がある・・・
そう。姫の足にコブラが巻き登る・・・
這い上がるコブラが見えず・・・
暗闇で怯えた姫、その瞬間に・・・
姫の足をコブラが噛んだ・・・
そして、毒が回る・・・
姫の見える景色が霞んでいく・・・
意識も薄れかけていく・・・
『これでよかったんだ。』
そう呟き姫は、最期を迎えた・・・
誰にも気づかれない暗闇の森の中で・・・
ただ純粋な心が、絶望感で狂い狂気に変わり姫を変えた。独り誰にも分からない遠い場所で、姫は今も永遠に眠っているのだろうか?それは日がさし、小鳥達だけが知っている・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます