†少女と涙†
第38話
いつの日にか、独りの少女に会った・・・
夢も希望をも失ったその瞳・・・
絶望だけを知り、涙すら流さぬ少女・・・
夢も希望も全てを失った少女・・・
その小さな手のひらから・・・
まるで、砂の様に夢と希望が・・・
サラサラと零れ落ちる・・・
それをただ、見つめる冷たい瞳・・・
夢を見ないのは、絶望だけを知っているから・・・
希望が無いのは、大切な気持ちを失ったから・・・
少女のその冷たい瞳には・・・
沢山の今までの苦しみが映る・・・
少女は私に問う・・・
夢って、希望ってなんですか?
美しいモノですか?と・・・
冷たい瞳には、夢も希望も無い・・・
何も言えない私に少女は繰り返す・・・
夢って、希望ってなんですか?
美しいモノですか?と・・・
何も言わず、私は少女の手を握る・・・
何も言わず、ただ伝えたい思いだけで・・・
少女は絶望だけを知っている・・・
でも、本当は夢や希望は、きっと・・・
少女の中には、あるんだと・・・
私は何も言わず、手を握り歩く・・・
少女は、俯いたまま一緒に・・・
雨が止むように、いつか陽は訪れる・・・
今は雨が降って冷たくて・・・
でも、光は必ず照らしだし・・・
私と少女を優しく包むだろう・・・
もう大丈夫。と少女に私は言う・・・
少女は、頷き小さな涙を零す・・・
その涙には、沢山の苦しさ・・・
言えなかった、助けて。が・・・
溢れた小さな涙が・・・
何も出来なくても、必ず少女にもう一度、夢や希望が瞳に映る事を祈り、一緒に何処までも・・・
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