†強さに隠れた愚かさ†

第39話

眠れない夜に、ふと見上げた夜空・・・

小さくも輝く、星々・・・

優しく静かに照らす月・・・


何もかもが、優しさに溢れて・・・


いつからだろう?

僕がそんな優しい夜空が・・・

全て美しく見えないのは・・・


雨のように、降り注ぐ星々の欠片・・・


尖っていて、鋭くて・・・

ただ、心に傷だけを残し・・・

心が粉々に割れそうな静かさ・・・


強くありたい。そう願うけど・・・


現実は、綺麗なはずの星々すらも・・・

尖ってて、鋭くて、欠片が僕の心に・・・

傷だけを残し、落ちてく・・・


そう。心に傷だけを残して・・・


心が赤い涙を流し・・・

粉々に割れそうで・・・

ただ、痛くて、痛くて・・・


丸いはずの月さえも、粉々に砕けてく・・・


その月の破片が、僕に降り注ぐ・・・

僕の心を、真っ赤に染めて・・・

砕けそうな心に、変えてく・・・


本当は、夜空とは、美しく優しい・・・


いつから、僕は美しく・・・

優しくなく見えるようになった?

見上げた夜空からは・・・


星々の尖り、鋭い欠片が降り注ぐ・・・


月すらも、粉々に砕け・・・

破片が降り注ぐ・・・

手のひらを、そっと出した・・・


星々の欠片と砕けた月の破片が痛いね?


真っ赤に染まってく・・・

僕の手のひらが、暗闇にただ赤く・・・

強くなりたい。その願いが・・・


いつか、僕の全てを壊した・・・


そして、美しいはずの夜空すらも・・・

美しく見えない程の、愚かさを持った・・・

ただ、心が割れて痛くって・・・



静かに流したのは、強さを求め全てを失った僕の愚かな心の真っ赤な涙・・・



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