第45話

そんな私をお兄ちゃんは見ていたんだろう。

知らず知らずのうちに死にたいと思い、自分を傷つける。だから過去に飛ばしてくれたのかな?

そのおかげで私はお兄ちゃんを取り戻して、私を必要としてくれる人がいることを知れた。

「私お兄ちゃんの妹で幸せです。ありがとうございます」

「俺も皐月の兄で幸せだった。人生何とかなる。皐月は何とかなる方法を知っている。これからは大丈夫。何か困ったことができたら頼ることも必要それだけ覚えてれば大丈夫。」

「ありがとうお兄ちゃん。抱きついてもいい?」

お兄ちゃんは笑顔で

「いいよほら」

手を広げて抱きしめてくれた。お兄ちゃんが消えていくのを感じながらお兄ちゃんは私の耳元で

「楽しくやれよ」

そう口にした。

こんなに恵まれてていいんだろうか。私がお兄ちゃんの人生を駄目にしたもんなのに。

でももう言わない。お兄ちゃんのためにもそして、私のためにも。

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