第44話
4年前私が中学を卒業した年。
お兄ちゃんが卒業旅行に連れて行ってくれた。
観覧車に乗ったり、商店街でお互いに選んでプレゼントしたりとお兄ちゃんとデートみたいだった。とても楽しかった。そんなに楽しかったからだろう。私はいつも持っていたスケッチブックが入ったカバンをどこかに置き忘れた。お兄ちゃんはそんな私を怒らずに一緒に考えてくれて最初の観覧車まではあったと取りに行くと言い出した。私が行くよと言ったけど可愛い妹にそんなことさせられない今日はさっきのために来たんだから。
うんわかった。
そう言った私にお兄ちゃんは
いい子
笑顔で出て行った。それが最後に交わした言葉だった。
お兄ちゃんは私のスケッチブックを抱きしめていたらしい。それを聞いて私は頭が真っ白。自分のせいだと思ったからこそお兄ちゃんの存在が消えた。
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