第14話

私を先に、玄関に入れた、伊織くん。



……!!



コトバにならない、音、が、自分の喉から、漏れる。



閉めたドアに、押さえつけられている。



私の両耳の横を、伊織くんの両手が囲んでいる。



ずい、と、私の鼻先に鼻先を近づけた、伊織くん。



「…伊織、く…、怒って、る…?」



おそるおそる、問いかければ。



…んー、ちょっと、ねー



柔らかに微笑まれれ。ば。



……睨まれるより。も、オソロシイ……




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