追いかけるもの2

第15話

「名前は?」

「加藤成衛門、阿部勇太、古賀香純」

「ほぅ…」

老人のような返事をしてしまう。

「同じ苗字とは」

「ご親戚か何かですか?」

「いや。偶然だろうね」

足袋を履くと道場を出た。

暫く黙って歩いていると、「…なんだか……」少し後ろを歩いていた佐川が呟いたので足を止めて振り向いた。

「どうしたの?」

「…最近、竹刀を振るっている先生は…先生ではないように見えます」

早口に言い俯いた。

「俺、ではない?…誰に見えるんだい?」

「分かりません」

佐川は頭を振る。「しかし」と顔を上げた。

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