第12話

それに…

人を斬り馴れている


書物を読んでいても、ふと思考が逸れる。

なので、道場に戻ってきて剣を振るっていたのだ。


「ここでしたか。古賀先生」

この屋敷…山口邸の書生、脇差しだけを下げた佐川の声に振り向くと、安心したように笑った。

「うん…。風邪を引いて休んだ分を、ね」

刀を仕舞い手拭いで汗を拭いた。

「そうですか」

今年16になるという佐川は入り口の横に正座した。

月代に剃られた頭髪がまだ初しく見える。けれど、もう一年経つのだなと感慨深くなった。


先生と呼ばないでくれと頼んでも「決まりですので」と、律儀だ。

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