心地よい侵食

第7話

死が迫っていた。


わかっていたから、亀島(かめしま)の私を担ごうとした手を払った。


私はポケットからジッポを出した。ついでに煙草もと思い、出そうとしたら血に濡れて全滅だったのでやめた。

いつもならなんてことのない動作でも、今はとても億劫だった。


亀島は黙って私の動きを見ていた。

私は亀島に目を移すと、多分核心をついてるだろう質問をした。


亀島と視線がぶつかる。

亀島はにこっと笑みを浮かべてとぼけた返事をした。


聞きたいことを分かってるくせに――


次の質問はきっぱりと否定した。

それで確信した。

 亀島は私を好きだ

また質問をぶつけると、もっともな理由で躱された。

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