第3話

「それは……この世界のノウハウ知ってるし、高校の先輩後輩の仲だし、女性一人でやるにはとても大きな事だし~」

僕は大袈裟に指を折りながら答えた。

「相棒だから、当然ですよ」

「本当にそれだけか?」

僕は笑顔のまま一度頷いた。

それ以上の詮索は諦めたのか、先輩は僕から目を外してまたふぅと息をついた。

「具合が悪いのは、俺が瀕死の状態のせいか?」

「いや、僕もですよ」


答えながら改めて部屋の中を見渡すと、あまり気にならなかった『それら』の異臭が鼻につき始めた。


先輩はジッポの火を点けようとしたが、点けれなくて悔しそうな顔をした。

出血のしすぎで力が入らなくなっているのだ。

「僕がやります」

ジッポを取るために触れた先輩の手は異常に冷たかった。

「ついでに、止めもさしてくれると有り難い」

先輩は擦れた声で言って、少し笑った。

「冗談だよ」

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