第57話
ナオルがすみれちゃん大丈夫なのと来てくれた。私は大丈夫だよというと、おじさんがかばってくれたことを話した。薫、あの時もそうだったなというので、何のことだろうと思った。昔話してあげるねというとなんか遠くを見る目をした。
薫と初めて会ったのは僕が幼稚園の時だった。出会った時僕は弱々しい印象だったらしくてね。薫は昔から老け顔だったせいか人生を悟っていたような印象を受けた。僕でも薫は仏様に見えた。僕は夏の暑い時期でも長袖を着ていたけど、それは父親にやられた傷を隠すためだった。ある日、僕は熱中症になりかけたことがあった。でも自分は服を脱ごうとしなかった。薫はナオル。これ使えって冷やすためにタオルを巻いてくれた。そのタオルはひんやりしていて気持ちよかったのを覚えてる。薫はなんも聞かなかったが、ある日、俺の母親を見て身体痛そうだけど大丈夫。と聞いていた。なにかナオルに聞いたというと、聞いてないけど、おばさん歩くときすごく痛そうにしてるから。というのを聞いた母は薫にこういった。大丈夫。ちょっと落ちただけっていってニコッとした。薫君のお父さんとお母さんはどんな人なのって母は聞いた。僕、お父さんはいないの。病気で天国に行ったらしいけど、お母さんはお父さんは僕がおなかにいるとき、すごく喜んでくれたって。お父さん僕が身体の丈夫な子になってほしいって願ってたみたい。だから僕丈夫なの。お母さんは働きに出ていてでもお休みの時は僕に花言葉をたくさん教えてくれるの。僕男の子なんだけど、泣くなとかいわれたことないし、優しい子に育ってくれたらいいっていってくれてるんだ。そんな薫だったからなのか、困ってる子たちを絶対見過ごさなかった。それどころかよくお母さんのいいつけを守っていた。喧嘩を仕掛けてきても薫は絶対に手を出さなかった。 僕はある日薫にすべてを打ち明けた。そしたら薫がうちに来てくれて父に手をあげられていた母さんをかばって薫が殴られ続けていたんだ。僕は父を止めようとしたけど、薫の一言は警察を呼べだった。そして近所の家に助けを求め警察を呼ぶように言った。それが今の父との出会いだった。そして警察を呼ぶとその人も俺の家に行った。今の父は柔道をしていたため、お父さんを寝技で押さえつけてこういったんだ。あんたこうやっていつも奥さんと子供さんに暴力振るってたんだな。あんたかっこ悪いわ。というと警察が来たので僕は父を引き渡した。それで薫に俺がこういったんだ。薫、お前本当にかっこいいわ。ってじゃあ今の父はこういったんだ。なんでこんなになるまで殴られ続けたんだい。と。僕の母さんと約束したから。僕の父は僕がおなかにいるとき喜んでたって。この子が身体が丈夫ならいうことない。後、人様を傷つけなかったらいいってさ。だからこれは父と母の約束だから、俺守らなきゃ、父は僕を命と引き換えに作ってくれたんだもん。という薫。ナオル、よかった。君を守れて。というと気を失ったんだよな。それを見て今の父は、ナオル君。薫君のお母さんに連絡できるというと、多分家にいると思うから僕が伝えてきます。僕の母の事お願いしますというと、俺は薫の母を呼びに行った。
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