第58話

それからしばらくたって、僕の父と母は離婚した。

僕の親権は母がとった。度々僕は新しい父のところに行き来することになった。それがきっかけで母は付き合うようになったんだ。

6年生のある日、僕に薫がこういった。お前の母ちゃんが俺の恩人と結婚することに反対しないか。俺が一人親だからいうんだが、一人親は大変だぞ。俺はナオルのかあちゃんが心配だ。愛した奴に暴力受けてたしな。ナオルだけじゃ支えるってのは無理だ。あの人ならそれが出来そうだしな。という薫には頭が上がらない。そこまであいつは俺の事思ってくれていたんだ。そして俺が中学校上がる前に籍を入れた。父さんは俺にとっては尊敬できる人だった。妹が出来ても分け隔てなく愛情をくれたし、僕は弁護士になろうとした時だってプレッシャーをかけることなく俺を応援してくれたんだよ。ナオル君。あまり固くならなくていい。司法試験は簡単じゃないことはわかってる。何度だって挑戦してもいい。私たちの事は気にしないでいい。ナオル君自分の事を考えてほしいんだよ。というと、俺を助けてくれた父は今でもいろいろと助け船をくれるのだ。薫には恩を返すつもりだ。だからすみれちゃんの件も無償でしてる。すみれちゃんは犯罪者を自首させるために今、交渉人を目指して学校に行ってる。大学でも勉強を頑張ってるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る