第42話

「それがねー、敵を全滅させて拐われた英依姫を助けたって話が広まってるんだよね。誰かに見られてたみたい。まあ事実なんだけど……問題があるよね。」



『半分事実じゃないじゃん。私が相手したのは英依を襲ってた男たちだけで、他は和巳たちでしょ。問題ってまさか……?』



私の言葉に和巳は困ったように眉を下げると頷いた。



「いろーんな奴等が一樹に興味津々なんだ。」



『はー?めんどいのは嫌い。』



小さく溜め息を吐くと、ドカッと自分の指定席に腰を下ろして机に荷物を投げおいた。



「一般生徒に何かしてくることはないと思うけど、どうしようかって話し合ってるんだ。【KINGDOM】で匿うかどうか。」



『そんなの答えは決まってる。放っといてちょーだい。』



「え……?でも、」



『守られるみたいなのとか嫌いなの。監視されるのとか行動を制限されるのがこの世で一番大っ嫌い。』



自然と出た声は低く抑揚もなく、不快感で胃もたれしそうだ。

束縛───吐き気がするほど憎たらしくて大嫌い。



「俺のせいで、ごめん……。」



『英依のせいじゃない。私がしたくてしたことだから。英依が無事で良かった……。』



英依の頭を撫でると、俯いた英依はやんわりと私の腕を払う。

そんな英依を眉を下げて笑った和巳が英依の髪がぐしゃぐしゃになるくらい雑に撫でた。



「分かった。そう言っておくけど、なんかあった時は俺と英依に言ってほしい。これは友達の約束、な。」



『……覚えてたらな。』

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