第39話
本能が理性に勝つ瞬間───私と英依がいる部屋の扉が勢いよく開いて咄嗟に弾けたようにお互いの体は離れていた。
「あれ??邪魔しちゃった!?」
「か、かずみ」
『っ……はぁ』
暢気な声で「ごめんごめーん」と言いながら、口元はニヤニヤと笑うのを堪えきれていないようだ。
私は今、何をしようとしていた?
自分でも無意識だった。
─────ほしい。
前までのそれとは違う“衝動”に着いていかない頭と騒ぐ鼓動。
『帰る。』
「え?そ、そうだね。早くこんなところ出ようぜ。一樹は俺のバイクで先に英依と帰ってていいよ。俺はあいつらと後片付けして帰るから!」
そう言うと、和巳はキーを私に投げて颯爽と去っていってしまった。
私と英依はお互い何も言えず……先に立ち上がったのは英依だった。
「は、早く出たい。」
『うん。』
「っ……なんか言えよ。らしくないじゃん。」
『……よくわかんないけど、すっげぇちゅーしたくなった。なんだろ、英依の泣き顔に興奮したからかな?そんなのいつものこどたし、なん』
「やっぱり黙れ!!お、お前はそういう奴なんだ!!変態!!ばかぁ!!」
さっきまでとは違い、すらすらと言葉は出るのに心は数歩後ろにいてあべこべでしっくり来ないから現実味が持てない。
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