第25話

『テルー!おまたせー!わりぃな。』



「へーきへーきー。ゴーゴー?」



テルに手を合わせて頭を下げて謝ると、何故か頭を撫でられた。



「シスター大丈夫?」



『ああ!姉貴に渡したから平気。』



「姉貴?」



『A組にいるんだよ。それよりも、何処連れて行って……あれ?』



そういえば、榎木にも夕飯いらないって連絡しないといけなかったのを忘れてた。

そう思ってスマホを探そうとバッグを漁って……スマホはある。

しかし、あるはずの弁当箱がない!



『やべ……俺、忘れ物した。取ってくる!!』



「着いていこーかー?」



「いや平気平気!すぐ戻るから待ってて!」



そう言って階段を駆け上がり、無人になった教室で転がっている弁当箱を発見した。



よし、ミッションをコンプリートした。

そこまでは、良かった。



話し声が近付いてきて、俺に気付かず入ってきた人物たちを凝視してしまったのだ……。






────濃厚なキスを交わしながら入ってきた男女。





そして直ぐ様俺は教卓の下に隠れてしまったのだ。

あれ?俺隠れる必要ねぇじゃん。

そう思い直して出ようとしたのに、立ち上がろうとした足は女の声で停止する。



「んっ…門、くらくんっ…ぁ」



……おーおーおー、お盛んですな。



どうしよう……出るに出れなくなってしまった。



体育座りをして、聞こえる声と音を遮断するために耳を塞ぐ。

何故こうなってしまったのか、自問自答したところで解決策は出てこない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る