第24話
『てめぇ……殺す気か!?あ”?』
「ひゃっ!!ご、ごめ……なさっ……ひぐっ、」
『いてぇよ。泣くなよ……マジで殺されるから。』
あの人が俺が怒って泣かせたなんて知ったら、家で何されるか……想像もしたくない。
「ふぇっ……ふぐっ……」
「なっつんのコレ?」
俺を見下ろして小指を立ててへらりと笑ったテルを見上げる。
『ちげぇよ。妹。』
「なっ、なっちゃーん……」
ベソベソ泣きながらしがみついて離れない亜樹をひっぺがして自分の席に座らせて俯く亜樹の顔を覗き込む。
『メッセージ見ねーで来ただろ。どうした?亜樹。』
「う”ぅ……し、視線が……一杯で……ごわ”がっだぁっ……ひぐっ」
何があったかは分からないが、ジロジロ見られでもして逃げてきたのか。
俺を押し倒したこの騒動のせいで、クラスで注目を浴びてしまっている状況からどうにかしないと、気絶でもされたら面倒だ。
『おー、よしよーし。イチ姉ん所まで一緒に行ってやるから。テルー、悪いんだけど下駄箱で待っててくれよ。』
「らじゃー!」
亜樹の頭を撫でてから亜樹の腕を引っ張り、無理矢理立ち上がらせて教室を出た。
「なっちゃ……一緒に帰らないの?」
『ダチと飯食って帰るから、亜樹はイチ姉と帰んな。』
「……ん、わかった……ごめん、ね。」
『いいよ、いつものことだろ。』
「あ?ナツ、ダチと帰んじゃなかった?亜樹、教室迎えに行くって言っただろ……。」
丁度A組の前に着いた時、教室からイチ姉が出てきた。
『俺んところ逃げて来てさー。多分教室でジロジロ見られて待ってんのが耐えられなかったみたい?泣いててよく分からんが。ダチ待たせてるから、もう行く。イチ姉頼んだ!』
「うん、ここまでご苦労。気ぃ付けろよー。」
「な、なっちゃん!ありがと……」
イチ姉に亜樹を預け、立ち去ろうとした時に服の裾をクイッと引っ張られて振り向いた。
涙目の上目遣い、頬を朱に染めた亜樹にお礼を言われて、亜樹の頭をくしゃくしゃに撫でて今度こそ下駄箱に早歩きで向かった。
……あれで何人の男が落ちたことか。
現に俺たちの周りでチラチラ見ていた男たちの鼻の下が伸びていた。
今までも、亜樹は家族にしか笑いかけたりしないが俺たちといる亜樹を遠目から見ていた男たちは亜樹に好意を抱くことは多かった。
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