第15話
『おいおいおい、ちょっと待て。』
「んあ?」
リーゼント君は厳つい顔を歪め、だらしなく鼻水を滴しながら大泣きしている。
テルの奇行可笑しいが、誰一人として止めねぇクラスメートもやべぇな。
大半が火の粉が自分に飛んで来ないことを願って我関せずの奴らばかり。
仕方がない。ここは俺が彼を助けてあげるとしよう。
きっと、鬼畜姉貴がこの状況を見たらリーゼント断髪ショーを嬉々として受け入れるだろう。
寧ろ率先して参加するだろう。
アイツは人の泣き顔、苦しむ顔を糧として生きている人間だ。
『なあテルちゃんよ。リーゼント君のリーゼントを取ったら、彼はもうリーゼント君じゃなくなっちゃうんだぞ?それはつまり、彼は死んでしまうってことだぞ?人殺しは良くねぇな。』
「リーゼントから坊主にすんのは?坊主君に生まれ変わるか?」
「う“っい”……嫌でずっ」
嗚咽を漏らしながら彼は嫌だと必死に抗議を始めた。
しかし、テルは断ち切狭を離すつもりはないらしい。
『テルテル、よく見てくれ。坊主君は既に彼処に存在するじゃねぇか。もう彼はこのままリーゼント君にしておこうぜ。俺はまだリーゼント君のリーゼントを飽きるほど楽しんでねぇんだ。な?』
テルは断ち切狭をそのままに、悩む悩む悩む……そして、へらりと笑って断ち切狭を胸ポケットにしまう。
次は何をしでかすか分からないその顔に、どうしても自分の姉の姿がよぎる。
────いや、最早宇宙人だ。
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