美少年は宇宙人
第14話
《夏樹side》
生まれる前からずっと共にいる二人と、人生で初めてバラバラになったことに興奮して落ち着かない。
教室の前まで来て、担任の教師は立ち止まって俺を振り返る。
「女の子って聞いてたんだけど……」
『あー、このズボン?スカートって苦手なんだよ。あのヒラヒラが。』
「ああ、そう。それじゃあ呼ぶから、そうしたら入ってきてね。」
『せんせ、そんなまどろっこしいのどうでもいいから早く入りたい。面倒事はとっとと済ませようよ。』
教師は怪訝な目で私を見る。
これが、あの有名なA国のお嬢様学校、聖マリア女学園の優等生なのか、と。
嫌な目、でも慣れてるんだよね、俺とイチ姉は。
「でもね、……あ!ちょっと!」
制止を無視してドアを開けた瞬間、騒がしかった教室内に静寂が訪れる。
ツカツカと教壇に立って全体を見渡して教室内の全員の顔を見る。
『俺は大神夏樹、よろしくな。』
「おー!転校生って男だったのかー!俺はテル、気軽にテルテルでもテルちゃんでも呼んでなーよろぴくー!夏樹かーそんじゃ、なっつんかー。」
いきなり手を上げたと思ったら、ハイテンションで自己紹介をして俺のあだ名までつけてきた奴。
テルは真っ赤な髪にグレーの瞳、少し幼さがある中性的な顔立ちの美少年だった。
『せんせ、俺の席さ。アイツの隣でいい?』
「え…あー、う、うん。」
俺に一番に挨拶をしてきたテルの前まで行き、空いていた席に座る。
「あははっ、ざんねーん!そこは、別の奴の席。」
『休み?どーすっかな。いない間に席無くなってたら可哀想だよなー。』
「んー、そうだ!ねえねえリーゼント君、席代わってくれなーい?」
こいつ、テンションたっけぇな。
テルが反対側の隣に座るいかつい顔をしたリーゼント君を振り返る。
「あ、はい。」
なんで同級生で敬語?
その前に代われと言われて、今まで座ってた席を簡単に渡すか?
それも俺がテルの隣に座りたいからと言う理由だけで。
もっと反抗したり怒ったりしねぇのか。
つまんねぇな、と肩を落とした時だった。
いきなり立ち上がったテルが立ち上がったリーゼント肩に手を当ててもう一度彼を席に座らせて彼の両肩をポンポンと叩いた。
「ごめんなー、リーゼント君のリーゼントちょっち面白かったけど、もう飽きたわー。そろそろイメチェンしようよー。俺一回で良いから、その毛断ち切狭で削いでみたかったんだー。いい?」
「え、いや……ちょっ」
「俺今日ついてるわー。丁度ハサミ持ってんの!運命じゃね?よし、目ん玉ぶっ刺さんねぇように動くなよー。」
そう言うと、テルは胸ポケットから断ち切狭を取り出してリーゼント君の髪の毛に突き刺した。
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