第35話

「それよりもだ…」



カラスさんは先ほどの会話と同じトーンでそう言ったのだが、次の瞬間に、私は身震いした。







「……こいつ、誰だ?」



視線はゆっくりと、耶麻のほうに向ける。



そして、その声はさっきとは違い、とてもじゃないけど低いものだった。



まるで、敵…にでも向けたようなそんな声。



カラスさんの名前を出したくても、今は威圧がすごすぎて、私の口は開きたくても開けることができない。





「昨日の放送の男です。」



「昨日?…ああ、あのふざけた放送、ね。」




カラスさんも達沙も耶麻に好感をもってはいないようで、睨みつけるような視線をこちらに向ける。




いや、正確には耶麻にだけど。




それでも、耶麻はその視線にひるむことはなかった。



むしろ、その視線を向けられて楽しそうだった。

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