第34話

「おいおい、朝っぱらから喧嘩かよ?見なきゃいけねえこっちの身にもなれ。」



ゆっくりと近づいてくるカラスさんの威厳は、すさまじい。



達沙が息を呑むのがわかる。



耶麻が緊張しているのが、こっちにまで伝わってくる。



それくらいに、カラスさんがこの場に来たことで空気が変わるのが分かった。





「薺さん。さっき徠が探してましたけど、会えました?」



達沙は話を変えるようにして、そう言う。



「ああ、嬉しそうにこっち来たけど、教室に来やがったんで、追い出した。」



「……もう少し優しくしてやってくださいよ。」



「俺にしては、優しくしてるほうだ。」




と会話を聞いて、そういえば徠はカラスさんのことが好きだったということに今更ながらに気づいた。



尊敬しまくっているのは分かるが、カラスさんからすればちょっと鬱陶しそうにも見える。

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