第369話
どうすれば、誰も傷つかずに、幸せに暮らす事が出来たのだろう?
一つの疑問を残しつつ、俺は桐生家を後にした。
ザアアァァ…--------
外はまだ雨が降っている。
俺は兄さんが待つ公園にへと向かっていると、兄のバイクが見えたので顔を上げると…俺はびっくりした。
兄さんはどこにも雨宿りをせず、ただ黙った雨に濡れてそこに立っていたのだ。
「兄さん!!!」
「ああ、玲衣。」
「どうして…っ!?」
何で、雨宿りもせずこんなに濡れるまでここで待っていたんですか!?
俺は最後まで声が出ずに、ただそう目で訴えるように兄さんに向かって見つめていた。
それを感じ取ったかのように、兄さんはニッコリ笑って…
「ああ、お前が濡れてるんだって思うとさ…、何か落ち着いていられなくて…。気がついたらこんなに濡れてたな。」
ああ、やっぱり兄さんは優しい人だ。
俺を想ったら、雨に濡れる事なんてなんともないんだ。
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