第367話

紗希さんは涙が絶えないみたいで、泣きながらそう話してくれた。



どうして?



桐生君…君はどうしてそんなに思いつめているんですか?



俺はもう何もかも分からなくて、ただ紗希さんが持ってきてくれたプレゼントを手に取った。



クルリと一周見渡してから、俺は袋を丁寧にのけて、小さな箱をゆっくりと開けた。





そこに姿を現したのは………









小さく煌めくグリーンピアスだった。




ああ、君は忘れてはいなかったんだね。



あの時のあの日々を。




俺がピアスを欲しいと言った時に、君は笑顔でこう言ったよね。



『じゃあさ!!初めてつける時は絶対一緒につけような!!』



そうか…。



君はその準備のために、これを買ってくれたんだね。



ねぇ、俺は思ったより…君に好かれていたんだね。



俺と同じくらいに、君も俺の事を想ってくれていたんですね。



ああ、どうしてそれをもっと早く理解出来なかったのだろう。

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