第366話

そんな俺を見て、紗希さんは苦笑いをしつつ、俺にこう言った。





「これ…達沙からだよ。」




「………え?」



な、に?桐生君から?



え、は?何で?



俺は意味が分からなくて、頭が混乱していた。



紗希さんは続けてこう口にした。



「木下君がさ、私達に会いに来てくれた時あったでしょ?」



俺が紗希さん達に会いに行った日。



きっと、桐生君を裏切ると宣言したあの日だと思う。



俺はそれに頷いた。




「あの日にさ、達沙いなかったでしょ。…あれさぁ、木下君にこれ買いに行ってたんだってさ。


木下君が帰った後に、達沙が嬉しそうに『これ、明日木下にあげるんだ!!』って言ってて…さ。もう…見てられなかったよ。」




桐生君は、俺が裏切ろうと決意したあの日に…俺のためにプレゼントを買っていた?



え?それって……どういう意味?



「達沙さ…。私達が思ってたよりも、あんたの事好きだったんだよ。あんたの事必要としてたみたいなんだ。あんたに裏切られたあの日から……死んだような目してんだよ。」

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