第354話

俺がこういう人だという事に驚いているのだろうか?



君は一体木下 玲衣に何を求めていたのだろうか?



優しさ?



そうならば、求める人が違う。



俺は彼女に向かってただ笑顔を向けていた。



そして、それを見ているだけであった金田君が俺に話しかけてきた。



「何で達沙じゃなくて、木下君がいるんだよ。」



と。



その穢れた口で、桐生君の名前を呼ぶな…って言いたくて仕方がない。



でも、今はまだ我慢だ。



まだ自制しろ、自分。




「教えてほしい?」



そう言うと、金田君は何かを伺いながらコクリと頷いた。



俺はその反応にまた深い笑みを浮かべて、口を開いた。




「ねぇ、金田君さ。そこの水谷さんって誰の彼女か知ってる?」



「は?あ、いや…達沙の彼女だよな?」



当然の如くとでも言うかのような口振りで、金田君は言う。



水谷さんもそれに対して、深く頷いている。

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