第353話
すると、反応をくれたのは金田君ではなく…
「以前は助けていただいてありがとうございました!!木下様にもう一度、会えるなんて嬉しすぎます!!」
変な事を言ってくる水谷さんの方だった。
今はその話は関係ないのだけど…。
以前というのは、宮原から助けたあの事件の事を言っているのだろうか?
だが、あれは俺ではなく実質助けたのは桐生君の方だ。
俺にお礼を言うのはお角違いってね。
「気にしないでよ。あれは君のためなんかじゃないからさ。」
「え?」
そう、あれは水谷さんのためなんかじゃない。
あのままでは、桐生君の身が危なかったから声をかけただけ。
結果的に彼女を助ける事になったとしても、ただ桐生君が無事ならそれで良かった。
彼女なんてどうでも良かった。
「ど、どういう意味ですか?木下様?」
「ん?そういう意味以外に何があるのかな?」
驚きを隠せないとでもいうかのように、彼女の手は震えていた。
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