第352話
その声に桐生君ではないと気付いたであろう、金田君はこちらを勢いよく振り向いた。
「誰だ!?」
そう言うと、やっとの事か水谷さん(ミユ)も桐生君ではない事に気が付き、ザッと金田君の後ろに隠れる。
俺はゆっくりと廃墟地の中から出てきて、辺りに照らされている月明かりで、俺の姿ははっきりと彼らの瞳に映った。
その時の彼らの反応といえば……
「んなっ!?木下君!?」
「きゃあ!?木下様!?」
滑稽過ぎる。
何にも面白くない。
俺はその反応を見て、鼻で笑った。
そして、彼らは驚いた目をこちらに向けつつ、黙ってこちらを見つめていた。
この場は沈黙を保っていたのだが、いつまでも沈黙を保っていても仕方がないと思った俺は彼らに話しかけた。
「来てくれてありがとう、嬉しいよ。」
最高の笑顔で金田君と水谷さんを迎える。
さぁ、どう反応をくれるかな?
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