第349話

7時50分。



俺の腕時計を見ると、そう時を刻んでいた。



約束の時間まで、後10分。



でも、多分彼らはもうすこし早く来るだろう。



あくまでも、俺の予想でしかないのだが、桐生君に逢いに来る前にきっと打ち合わせなどをしたいと思うから。



ああいう低能な部類が考えそうな事だ。




俺は廃墟地の中の座れる場所に腰をかけた。




そして、それと同時に---









「てか、本当に来るんでしょうね?洋平。」




と、女の甲高い声がここまで聞こえてきた。



間違いなく、あの時街で聞いた同じ声だと思ったので、ミユという女であろう。



俺は彼らの会話を聞くために耳を澄ませた。





「来るって。だって、あの木下君が言ったんだぜ?」



「っ!?木下って……木下 玲衣様!?ちょっと!!話しかけられたなら、私も呼んでよ!!」



「は?何でだよ?」



「生の木下様なんて、滅多にお目にかかれないのよ!!」

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