第337話
「なぁ!!俺は…俺は…」
「早く来たまえ!!こちらに連れて来てくれ!!」
宮原は拓也さんにそう命令して、桐生君を視聴覚室から出した。
桐生君はずっと俺を見ながら、何かを伝えようと叫んでいる。
しかし、必死過ぎて何を言っているのかは分からない。
でも、最後に…
「木下あああああ!!」
と悔しそうに俺の名前を呼んだのは、分かった。
声が震えていた。
部屋の床にも、涙がポツポツと落ちている。
…彼は泣いた。
俺の裏切り行為の所為で。
彼は傷ついた顔をしていた。
どうして?
だって、一番の親友や恋人に裏切られたワケじゃないのに、どうして彼は泣いたんだ?
どうしてあんなに傷ついた顔をしたんだろう?
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