第334話
「ええ、きちんとこの目で確認しました。」
静かなこの部屋の中で、俺だけの声が響く。
その言葉に、先程までは冷静だった桐生君も、目を見開いてこちらを見てくる。
しかし、もう物事は止まらない。
「玲衣君と歩いている時だったので、俺も見ました。」
拓也さんはそう言って、桐生君を確かめるようにじっと見る。
桐生君は目を見開かせながら、信じられないとでも言うかのように口を開いた。
「何、言ってんだ…よ。お前…」
ああ、そんな顔をしないでください。
桐生君のそんな顔を見たいワケじゃないんだ。
身勝手だけど、愚かな俺をどうか…どうか
ユルシテクダサイ。
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