第312話
どうしたら、桐生君が一番傷つかなくて済む?
俺はいつもより、倍くらいに頭を働かせた。
どうしたら…
どうしたら、桐生君には一番良いのだろう?
そう思いつめていた、その瞬間─────
「玲衣?どうしたんだ、こんな所で?」
聞き慣れた声が、俺の耳にまで届く。
俺は少し驚いたように、彼に振り向いて見せた。
そして、俺が顔を見せた瞬間に、彼は物凄い嬉しそうな顔になって言った。
「元気そうでよかった。久しぶりだね。」
「兄……さん。」
俺よりも少し背の高い、皐月兄さんが俺の後ろにいたのだ。
その姿は以前と変わっていなくて、とても安心感を覚える。
ああ、やっぱり皐月兄さんは俺の一番の尊敬する人だ。
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