第306話
「この子って、あの時の…」
「あ、やっぱ分かった?そうそう、あの時助けてあげた女の子なんだよ。
成り行きで仲良くなって、告白されちまってよ…。なんっつーか…恥ずかしいよな。」
顔を真っ赤にして、桐生君は嬉しそうに話す。
どうやら、これは俗に言う“ノロケ”らしい。
そういうのにはあまり関心がないのだが、まぁ桐生君がそんなに嬉しそうにして話すんなら、聞いてあげなくもないか。
なんて思いつつ、俺は勉強そっちのけで彼のノロケを聞いてあげた。
“可愛い”と何回連発したんだろう…なんて思いつつも、俺は耳が痛くなるまで聞いていた。
途中で金田君の話が出た時は、慎重になって聞いていたのだが、あまり悪いことは桐生君の口から出なかった。
まぁ、期待はしていなかったけれど。
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