第299話

ガラッ…───



俺は静かに教室のドアを開けた。



それに気がついたらしいクラスメート達が、俺に声をかけてくる。




「木下君、おはよう。」



「木下様、おはようございます。」




俺の呼び方は様々で、女の子は敬語、男の子はタメ語で話しかけてくるのが通常だ。



タメ語と言っても、君付けは必須なのだが…。



何たって、みんな気にしているから。



恐れているから。






俺のバックにある木下財閥という、親を。



はは、結局みんな俺を見る目は変わらないんだ。










「木下!!」





いや……でも、彼だけは違う。



俺の親を見ているのではなく、俺自身を見てくれる。



瞳を見れば、分かる。



あの綺麗な瞳に俺を映している姿を見れば、俺を純粋に好いてくれているのかと分かるんだ。

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