第297話
ふっ、無様だな。
俺は心の中でそう笑って、再び桐生君の方にへと体を向けた。
そちらに体を向けた時には、女子生徒が腰を曲げて……
「助けていただいて、ありがとうございました。桐生様、木下様。」
とお礼を言って来たのだ。
桐生君は慌てて、それを止めていた。
「や、やめてくれよ。お礼なんてくすぐってぇからよ。しかも、様とかやめてくれ。俺の性分にはあわねぇからさ。」
と笑顔で嬉しそうに言った。
彼は昨日、俺に笑顔の秘訣を教えてほしいと言って来たのだが、彼には必要ないのでは?
だって、彼自身もとても綺麗な笑顔をしているから。
…というか、俺とは比べものにならないくらいに綺麗な笑顔してるよ。
天と地の差くらいにね。
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