第283話
それを聞いた郁さんと幸さんは、安心したような顔をした。
「そっか…ならいいんだ。」
郁さんはそう言うと、桐生君のベッドに寝転がるようにして体を倒した。
「行儀が悪いぞ、郁姉。」
「いいじゃんか!!弟が楽しいって聞いて、これ以上に嬉しい事なんてないんだからさ!!」
それを聞いた俺は目を見開いた。
…弟の祝福を一番に喜ぶお姉さん達。
この家庭はきっと、愛で満ちている。
桐生君があんなに笑顔な意味がやっと分かった。
彼は、この家で幸せなんだ。
こんなお姉さん達に囲まれて、こんなに自分の事を想ってくれて…。
当たり前のようで、当たり前じゃない。
それはきっと、幸せな事なんだ。
兄弟関係の事ならば、俺にも何となくだが分かった気がした。
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