第269話

「木下君、おはよう。」



「おはようございます、木下先輩。」






そんな挨拶が俺の元にへと届いてくる。



「おはよう。」



そう笑顔を振りまきつつ、俺はただ挨拶を返す。



ただの社交辞令。



みんな俺の親を見て、俺の機嫌を損なわないように生きている。



ここは残念ながら、そんな学校。





息苦しくてたまらない。



本当を言うならば、ここの空気なんて吸いたくなんてない。



でも、俺はただそれを笑って誤魔化すようにいつも過ごしていた。




俺の最大の武器は、この鉄壁の笑顔。



誰をも騙す事の出来る“これ”だけは、俺には使える武器。



この学校の生徒にも先生にも、世間一般の人々にも……もちろん、親にも。



そう、世の中ただ笑っていればいいんだ。




それ以外の方法なんて…俺は知らない。




そう思いつつ、俺はただ真っ直ぐと歩き続けた。

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