第243話

オレ達がそうしている内にも、あの二人の争いは激しさを増す。




「てめぇの顔なんて見たくねぇんだよ!!さっさと失せろや!!」




達沙はそう言って、玲衣さんをここから追い出そうとした。



そんな事を言われた玲衣さんにオレは同情の目で彼に視線を向けた。





そうした瞬間に、一瞬だけ彼からとても悲しい瞳が見えた。




達沙から言われた言葉に、傷ついたとでも言うかのような瞳に。



オレはそれを見て、驚いた。





…玲衣さんでも、あんな顔するんだ。



誰だって人間なんだから、傷つく事は当たり前なのに…玲衣さんがそうすると何だか当たり前じゃないような気がした。





珍しいものでも見たかのように目を見開いていれと、玲衣さんはまた普通のいつもの顔をした。




先程の悲しい瞳は嘘だと主張するかのように…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る