第242話

オレはそう思いつつ、もう一度、裕貴に掴まれている腕を放そうと抵抗したのだが…上手くいくことはなかった。



余計に強く握られてしまった気がする。




オレはそれに納得できず、裕貴の方に顔を向けた。



オレの目に映った裕貴はとてもじゃないけど、苦しそうな顔をしていた。




それを見て、オレはハッとなった。






「頼むから……行くな。」




それは懺悔のようなものを含む声でもあった。



自分も止めてやりたい…。



でも、止めると何か良くない事が起こるかもしれない。



それが起こるのが怖くて、それを躊躇しているかのようにも思えた。




どうして、そんな目をしているのかはオレには理解できなかったけれど、朱希君もそんな目をしていた。



その目を見てしまったオレは、止めに入ろうと今までしていた足が急に止まってしまった。



動く事が出来なくなってしまったのだ。

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