第238話

オレはそう心の中で思いつつ、にっこりと朱希君に笑った。



「大丈夫、大丈夫だから心配しないでおくれ。」



そう言って、朱希君の心配を逸らせようとした。



朱希君はほっとしたようで、息をついた。



裕貴はそれを見た後に、もう一度達沙の方を向いた。





どうやら、オレ達よりもそちらの方が内心気にかけていたようだ。



話を逸らしてしまってごめんね、裕貴君や。





オレも裕貴と一緒になって、そちらの方に視線を向けた。



玲衣さんを一心に睨みつける達沙。



達沙を悲しそうに見つめる玲衣さん。





…え?悲しそう?




玲衣さんが?



オレはその玲衣さんの顔をじっと見つめて、ワケが分からなくなった。



あのいつも鉄壁の笑顔を保っている玲衣さんの顔が、今日は一切見当たらなかった。



達沙の顔を見つめて、とても悲しそうな顔をしている。

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