第188話
それを見た私は、少しだけカラスさんの背中から顔を出す。
それに気付いたのか、彼はにっこりと笑って怖がらせないように優しい口調で言う。
「やっと顔を見せてくれたね。はじめまして、お譲さん。俺は……」
と自己紹介しようとしたその時……
「耀さん、これから会議があってこの辺うろついてるんでしょう。こんな所で油売っててもいいんっすか?」
と私と彼の会話をぶった切るようにして、カラスさんはまた私の前に立ちはだかった。
それを気に食わないとでもいうように見ている彼。
それに怯みを見せないカラスさん。
少しの間、そのような居心地の悪い空間が続いたがその彼の方が折れたようだ。
溜息を吐いた後に、龍さんの方に体を向けてこの場を立ち去るような格好で私達に背を向けた。
そして去り際にこう言った。
「お譲さん……またお会いしましょうね。」
その言葉にはもの凄い恐怖を感じて、私の背中には冷や汗が流れ出た。
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