第189話
「んじゃ、またね。」
そう言って、彼と一緒に去っていく龍さん。
カラスさんはじっとその姿を見つめていた。
私はというと……力尽きたとでもいうようにカラスさんの方に倒れ込んだ。
それを見たカラスさんは、私を支えるようにして抱え込んでくれた。
「大丈夫か?」
その声には先程の彼に向けた声とは違い、優しさにあふれていたので余計に安心した私の目からは涙が出てきた。
ああ、また彼にこんなみっともない姿を見せてしまった。
そう思って、涙を拭っても次から次へと出てくる涙には歯止めがきかない。
…もう自分が自分じゃないみたいで、嫌になる。
そう思って、歯を食いしばった時…スッと腕が伸びてきたのが分かった。
そう、カラスさんが自分の手で私の涙を拭ってくれていたのだ。
びっくりして、その拍子で涙が急に止まったのが分かった。
それに気付いたのかカラスさんは少し顔を赤くして…言った。
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