第4話

そういえば、姫は何で遅れて来たんだ。


『……姫。』



「なあに?」



小首を傾げるその姿も可愛い……。

分かってやってないからタチ悪いよな。



『………なんかあった?』



「え゛!?なっ、なんかってなっ何?」



動揺しているのが丸わかりだ。

何か隠してる?



そう思ってじーーーーーーっと姫を見つめる。

少しすると姫は頬を赤らめ、観念したのか「はあ」と息を吐き出し、言葉を発しようとした。



「「「「きゃーーーーーーーーっ!!!」」」」



しかし、それは地響きのするような叫び声によって、遮られてしまった。



いつの間にか、学校に着いたようだった。

それにしても、これはなんだ?

何に叫んでいるんだ。



多くの女子生徒が群がっているところに視線を向ける。

彼女たちの視線の先には……。



派手な5人の男子生徒と1人の女子生徒がいた。



何やら熱狂的に男子生徒の名前と思われる言葉を叫ぶと女子生徒たち。

そんな彼女たちを鬱陶しそうにする4人の男子と、にこやかに笑い手を振っている1人の男子生徒。



「あの女何?」



「噂の姫じゃない?」



「え?あんなのが?」



「なんか、幼なじみらしいよ」



「えーっ!!」



「うぜぇぇ!!!」



「どうせあの方たちをたぶらかしたのよ!!!」



「身体でも使ったんでしょ」




などなど……彼らといる女子生徒に向けていると思われる言葉の数々。


よく分からないが、彼らはアイドルのような存在で彼女たちは、そのファン。

そして、彼らといる女子生徒をよく思っていない。

5人のアイドルに付いてるマネージャーさんかな。

大変だね。

ご苦労ご苦労。



なんて考えていた。



「……あ、あの人!」



それでも、俺は隣にいる姫の小さな呟きを聞き逃したりはしない。



知り合いでもいるのだろうか。

しかし、俺に姫しか友だちがいないように、彼女もまた俺しか友だちがいない。

疑問に思いながら、首を傾げて姫を見る。

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