第45話

私のその表情を見て、蘭勝さんはニヤリと笑みを深めた。



「ようやく気付いたかあ?」



「………。」



「俺は“最初”からお前に婚約者候補だってことを、知らせてたんだぜ?」



彼の名前を聞いた時に、私は全くそんなことについて思いつきもしなかった。



でも確かに渡瀬家は有名だし、他にも婚約者候補の名前が上がっていたとしても――…蘭勝さんの家の渡瀬家は特に有力候補だった。







でも、彼の名前を一番最初に聞いた時も……疑いもしなかった。




「……どうして言ってくれなかったんですか?」



「気付かなかったお前が悪いと思わねえ?俺はちゃんとヒントは与えたはずだぜえ?」



……名前だけで分かったら、苦労しないわよ。

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