第42話

私は目を逸らして、言葉を濁す。




「別に。」



「悪かねえってことか?そりゃあ、お前にしては褒め言葉なんじゃねーの。」



既に半分になった煙草を自分が持っていた携帯用灰皿に入れて、彼は窓枠にもたれかかった。



その様も、物凄く絵になると思う。





「……婚約者がいるくれえ、お前にも分かってたはずだろ?」



―――…計算外、ではなかった。



でも、こんなに早く父が話を持ってくると思っていなかったし、ましてやこんな急に……。



折を見て、砦のこともきちんと話す気でいた。






それも今になっては、蘭勝さんに全てを折られてしまったけど。




「……台無しです。」



「それも俺の計算の内だ。……それに気づかなかったお前が悪い。」

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